技術者インタビュー 02 59歳で自分が活躍できる
居心地のいい場所をみつけた。

前田 憲之介

Kennosuke Maeda/60歳


アミューズメントパークでの経験が
60代以降も活躍できる場所へと導いた。

工業高校を卒業後、大阪で様々な仕事を5年ほど経験し、岡山に戻りました。そして、真庭市にあるアミューズメントパークへ入社。そこでは、遊園地の管理、電気・機械のメンテナンス等々、本当にあらゆる業務を経験しましたね。アミューズメントパークでの仕事を約35年間、勤め上げた後、退職。前職で培った電気関連の経験を活かし、59歳で、中央電気保安管理技術者協会に入会。現在に至ります。一般的に59歳で再就職というのは、なかなか難しいものだと思います。求人票や求人情報誌をみると、定年後も活躍できそうな仕事、60代以降も積極的に募集していそうなところは、単純作業で安い給与のところがほとんど。私自身も、電気・機械のメンテナンスの経験があったとはいえ、まさか60歳以降も適度に働き、収入も得られる場所にたどりつけるとは思っていませんでした。当協会に入会できたことは、とても幸せなことだと感じています。


早朝勤務に365日の緊急対応…。
それでも今の働き方は天国。

現在、工場、農場、スーパー、ドラッグストアなど、53件の電気設備の点検を担当しています。担当エリアは割と広範囲。私は蒜山に住んでいますが、岡山、福山、出雲などを回っています。年次点検など、大規模な点検の時は、施設内の停電を要するため、お店の営業に極力影響がでないように、かなり早い時間帯から動くことがあります。「出雲に7時集合」ということもありました。そういった大変さはありますが、点検出動は、主に午前中に週2日ほど。正直、今の働き方は天国です。以前は、月4日しかお休みがない月もありましたが、今は自由な時間も、お休みも豊富にあります。また、もともと電気や機械は好きな分野。自分の経験を活かし、好きな仕事ができ、好きに使える時間もある、この仕事や働き方を気に入っています。仕事上、365日緊急時の対応に備える必要はありますが、大好きなお酒も「夜だけ」など、自分のルールを作って楽しんでいますよ。


技術者同士のつながりを大切にする協会。
協力体制や教育体制も充実。

電気保安協会の多くは、個人事業主の技術者集団という印象がありました。メンバーそれぞれが独立部隊で、技術力次第で稼げるという魅力がある一方、技術力がなければ稼ぐことができない。「点検に行けない」ということは基本許されない。…といった印象を持っていたのです。しかも、メンバー同士はいわばライバル。協力・教育体制は期待できないのでは?という不安もありました。しかし、入会後、その不安は消えましたね。当協会では、点検担当先を定期的に交換することで、メンバー同士、情報やノウハウを共有しています。そのため、万が一点検に行けないことがあっても、仲間同士助け合うことができるのです。また、先輩は後輩指導に積極的です。自分が経験したことがないような大規模な点検、故障事例なども教えてくれるので、本当に勉強になります。私は、入会してまだ約1年。今後も、多くの経験を積み、あらゆる現場の対応ができるようになりたいですね。


Column 7つ道具

これが電気設備の点検で使用する私の7つ道具。全て私物です。低圧用検電器や電流・電圧測定器など専門機器も、もちろん重要な道具ですが、意外と重要なのが、剪定鋏。キュービクル(高圧受電設備)は、屋外にあるので、ツルなどが侵入していることがあります。それを切るために、剪定鋏は必需品。後は、磁石付きのペン型ライトも便利です。道具は相棒のような存在。作業しやすく、現場にあった自分の道具を見つけることが大切です。

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